ダイニングテーブルが紡ぐ暮らし
家づくりの話
みなさま、こんにちは。モクノカグの山口です。
夜、テレビを消してみると、秋の虫たちの声が心地よく、聞き入ってしまいました。
さて、先日、お客様のダイニングテーブルを納品いたしました。
お客様からは、木材本来の良さを残しながら、シンプルなデザインに仕上げたい、というご要望をいただきました。
材料は、実のおいしい季節が訪れたクリの木。
天板は、同じ1本の木から製材された2枚の板を隣同士に並べ、板と板の切断面を本を開くように左右対称につなぎ合わせています。
これを、「ブックマッチ」と言います。
木目のシンメトリーが美しく、木材の魅力を引き出した加工です。
自然がつくる曲線と、機械で加工した直線のバランスの調和がこのテーブルの魅力。
天板と脚をつなげる部分には蟻桟という仕口を施しています。
木材の前後の伸び縮みはしっかりと出しますが、乾燥などによる上下の反りは防ぎます。
毎日、長く使うものですので、木材の性質に寄り添いながら、加工を行っています。
また、脚の部分はホゾを2つ設けることで、重みもしっかりと支えてくれています。
日々の暮らしの中心に、食卓はあります。
食卓を囲みながら、家族で1日あったことを、話す。
家族との思い出の中心にテーブルはいつも存在しています。暮らしを共にする大切な道具です。
このダイニングテーブルを囲みながら、どんな思い出を紡いでいただけるでしょうか。
美味しい食事を食べながら、会話が弾み、笑顔がより多く生まれることを願っています。