さわやかな香りの秘密〜天然の消臭・抗菌物質「フィトンチッド」とは？ 〜
家づくりの話
木の家に入ると、まるで森林浴をしているようなすがすがしい香りと心地よい空気に包まれます。
この香りの正体は、木から放出されている「フィトンチッド」と呼ばれる成分によるものであることをご存知でしたか？
このフィトンチッドには優れた効果がたくさんあり、近年さまざまな研究が進んでいます。
今回は、このフィトンチッドの効果に着目した、木の家の心地よさの理由をご紹介します。
■フィトンチッドって何？
フィトンチッドとは、ロシア語で、「フィトン」＝植物、「チッド」＝殺す が語源になっています。
土に根ざして生きる木は、有害な昆虫や細菌から攻撃を受けても避難することができません。
そこで、防虫・殺菌・防腐効果があるフィトンチッドを自ら作り出して、自分自身を守っているのです。
■防腐・殺菌効果
フィトンチッドには、天然の防腐・殺菌効果があり、これらの効果は木製品になっても持続します。
昔の人がおにぎりを木の皮で包んでいたり、お弁当箱に木が使われるのもフィトンチッドの効果を利用しているためです。
鱒寿司や鮭寿司などの押し寿司も、たいてい木の葉で包まれていますよね。
お寿司屋さんでは、まな板や飯台、テーブルなどにもヒノキやサワラが使われています。
このようにフィトンチッドは、その成分が発見されるずっと前から人の暮らしに役立てられていたのです。
■消臭効果とリフレッシュ効果
森の中には動物の死骸、排泄物など腐敗物が多く、本来ならこれらの臭気が気になるはずですが、それを全く感じさせないのもフィトンチッドのおかげ。
天然の消臭・脱臭効果があり、空気を浄化してくれます。
ひのきのチップが下駄箱などの消臭剤として使われるのは、この効果を利用しているためです。
木の家であれば、お家全体でこのフィトンチッドの効果を活用できます。
また、フィトンチッドには自律神経を安定させたり、ストレスホルモンを減らす効果や、快適な睡眠をもたらす効果があることも研究で明らかになっています。
木の家は、良い香りに癒されるだけでなく、体にも良い影響を与える健康住宅と言えます。
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